83年ぶりのアカデミー作品賞を獲得したサイレント映画として一躍有名になった作品・・・
15日・日曜日9:50頃、東京メトロ・銀座線の銀座駅A10から地上に出ると、まだ人通りの少ない和光横・晴海通りの先に、変わることない数寄屋橋の首都高速橋が目の前にありました。
1本目の小道を右に曲がると、
小屋と呼びたくなる雰囲気を残す劇場があります。その名は、シネスイッチ銀座。
初めて出会ったときは、銀座文化という名前の名画座でした。
地下にありながらバルコニータイプの2階席があるオシャレな小屋です。
その頃観て印象に残っているのは、リバイバル上映だった 冒険者たち。
ロベール・アンリコ監督、アラン・ドロン主演の海に沈んだ財宝をめぐる夢と挫折のほろ苦いフランス青春映画。リノ・バンチェラと3人で並んで歩くジョアンナ・シムカス(レティシア!)に惚れちゃった映画です。今思うと、年上の人へのあこがれ のようなものだと思います。他にも、007ロシアより愛をこめて のダニエラ・ビアンキ(タチアナ!)、マデリーン愛の旅路のアン・トッドなどなど。
1987年に上映方法を変え、1997年に今の劇場名に変えています。
そして、この劇場が似合う作品を見てきました。
ニューシネマパラダイス
戦火のナージャ
おくりびと
マッチ・ポイント
かもめ食堂
イノセント・ボイス
ビヨンド・ザ・シー
イースト/ウエスト
運動靴と赤い金魚
ルル・オン・ザブリッジ
誰かがあなたを愛してる
ジュリエット・ゲーム
マンハッタン(リバイバル)
などなど
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そして、このアーティスト。
賛辞の言葉がたくさんある、その通りです。
観終わった後、シネスイッチの座席でこの身がひたったことは、VFX全盛のデジタル時代にこの作品を見ることできた幸せです。
サイレントは、戦艦ポチョムキンやチャップリン少々を見た程度で、どんなもんだろうってチョッピリ心配もしていましたが、とんでもない。
よく見てわかったのですが、セリフが無い分、俳優の演技が違和感ない程度に誇張されている感じが逆に新鮮でした。出だしはBoy meets○○の古いハリウッド映画・定石を踏んでいるため、展開はある程度予測できる分、逆に個々の表情、音・音楽の使われ方、白黒の陰影など、映画の醍醐味を十分に堪能できたことに感激しました。劇中、涙腺も緩んじゃったし、ヤラレちゃいました。
忘れられないシーンがたくさんありますが、まだ公開まじかなので控えまして、ふと湧き上がったことを書き留めます。
・Fフェリーニ監督のインテルピスタで、ホリゾントに雲を描いていた2人の姿を見て幸せ感じたなあ。
・雨に唄えば と2本立てでみたいなあ。
・ここで観たニューシネマパラダイスのラスト、口づけシーンの連続でグッときたことあるなあ。
・タップダンス 踊れたら楽しいだろうなあ。
そして、上映から約2時間、あたたかい気持ちに包まれたまま、小屋を後にしたお昼頃。
いつもと変わらない日曜日・昼下がりの銀座4丁目がありました。
薄曇りの間から差し込んだ日差しが、少しだけ優しく感じられたのは気のせいでしょうか・・・。
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