クリストファークロス・・・映画ミスターアーサーの主題歌「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」で日本でも有名なアーティストです。
初アルバムだったのに、1980年度グラミー賞でアルバム・オブ・ザ・イヤー に輝いた、ものすごいアーティストでもあります。そのアルバムが「南から来た男」。
3月10日夜、六本木ミッドタウンのBillboard Tokyo で開催されたライブの興奮を引きづりながら帰宅しました。
朝からの雨があがった東京・六本木ミッドタウン。。
ここが、震災での人命救助・各種捜索・生活支援に活躍した自衛隊の属する防衛庁(省)の跡地であったなど、かけらも残っていません。
この中のガレリアというところにBillboardはあります。
エスカレーターで4階に上がると・・・
夢の時間への入り口が待っているのでした。(ちょっと写っちゃった方ゴメンンサイ)
ステージバックに広がる赤坂の夜景としばし別れるべく、映画館張りの緞帳がしまっていく。
さあ、待ちに待った時間の到来。
どこからともなく湧き上がる拍手。客席左側から、5人の仲間を引き連れて、クリストファーが登場した。
キーボード、キーボード&クラリネット&テナーサックス、ドラムス、パーカッション、ベースギター、と仲間の面々を紹介する。
そしてリードギター&ボーカルのクリストファー。グレー系のスーツ姿にギターをたすぎがけ、なんとなく外国人ながしのようにも見えて微笑ましい。
なにから始めるんだろう・・・すると聞き覚えある曲が。
1 ALL RIGHT / オール・ライト
セカンドアルバムのヒット曲。弾けるようなアップテンポの曲調に、クリストファーのハイトーンボイスがかぶさって、カラット爽やかなシーブリーズにライブハウス自身が包まれる。既にたまらなく贅沢な空間に身を置いていた。自然とリズムに乗り手拍子する会場のみんな。素晴らしいオープニング。
2 THE LIGHT IS ON / ライト・イズ・オン
「南から来た男」の7曲目だ。グラミーをとった「セイリング」と全米2位をとった「風立ちぬ」の間に挟まれたこの曲。先の2曲の正反対なところをつなぐ、リズム感あふれる本当にライトな1曲。しかし、ただ軽いだけではないクリストファーのしっかりしたボーカルが、あるときは流すように、あるときは歌い上げるように、まさにマジック!
5曲目でアコースティックギターに持ち帰ると・・・
6 SAILING/セイリング
グラミーをとった、スローナンバー。クリストファーが丁寧に歌い上げる。そのハイトーンボイスが耳から胸にあっという間にしみこむ。ライブハウスがその声に乗って、穏やかな海に漕ぎ出したようにも感じる。
9 SPINING/スピニング
キーボードの女性とのデュエット的なコラボが始まる。「南から来た男」の中で唯一のボサノバ的曲調。
二人のボーカルの混じり合いが絶妙で、控えめな楽器たちが、そっと歌唱を支えていた。
11 ニューヨーク・シティ・セレナーデ
そしてクライマックスに・・・クリストファー自身が曲紹介で日本でだけ付けられた邦題「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」を口にする。驚いた!でも、ありがとう。言わずもがなの1曲。心地よさはピークに。そして・・・。
12 RIDE LIKE THE WIND / 風立ちぬ
音が音を追っているようなテンポ、チェイサーブルなナンバーでライブ全体の盛り上がりはピークに。
ライブレストラン形式のお店なのだが、ステージ袖の客席では立ち上がって踊りだす人もでてきた。気持ちはとってもわかる。手拍子が強くなっている気がした、でも仕方ない、止まらないんだ。
そして来た終演。バンドのみんなと手を大きく上にあげ、お別れを伝える。60歳とは思えないパフォーマンスを見せてくれたクリストファー。
13 SAY YOU'LL BE MINE / セイ・ユール・ビー・マイン
アンコールはただ1曲。「南から来た男」の1曲目。アップテンポと乗りの良さは抜群。みんな歌いだした・・・いや違う、クリスオファーに歌されているんだ。歌いたくなっちゃているんだ。最後の最後にこの曲をもってくるなんて、ずるい!
やがて、緞帳が開いて、ニューヨーク・シティ・セレナーデの夜景が広がる。贅沢な余韻に包まれながら、会場を後にする。3月11日を前にした六本木・防衛庁跡地を包む夜風は優しかった。
最近のコメント